ここが知りたい

自衛隊の教育ってどんなもの?
 自衛隊には 国を防衛するという任務があります。(自衛隊法第三条)
 その任務を果たすために 自衛隊ではどんなことをしているのでしょうか?
 いざと言う時に 配備されている装備の能力を最大限に発揮したり
部隊としてのチームワークや 士気を急に高めようと思ってもできるものではありません。
ですから常日頃から、個人の精神的な面と 技術的な面での教育、
そして、部隊という集団で一致団結した能力を発揮するための訓練が行われています。
これが「基本教育」と「練成訓練」です。

 「基本教育」は、個人としては、自衛官としての使命や
自衛隊という団体生活へ適応することから学びます。
また、部隊での自分の立場における仕事や 取り扱う物の知識や技術を学んだりします。
部隊での各隊員の立場は 階級によって分けられています
「命令」を速やかに実行するためには 明確な命令系統がなくてはならず、
階級というものが その明確性を明らかにしているのでしょう。
階級は 制服や戦闘服につけられる階級章によって
特定の場合を除き誰にでもわかるようになっています。
基本教育の元になっているものは、自衛隊法第52条です。
より具体的に表されているものが「自衛官の心構え」というものですが、
一番初めに隊員として任用されたときに 宣誓書 に署名押印することから
教育が始まっているのだと思います。

 「練成訓練」は、隊員個人としての資質を生かし 専門的な知識や技能の向上を図りながら、
「部隊」という集団の中で能力を発揮できるように 訓練に訓練を積み重ねていきます。

 以上は陸海空の自衛隊での共通なものですが、以下は陸上自衛隊について調べてみました。

 陸上自衛隊では陸士として入隊すると、「新隊員課程」の教育を受けます。
これは前期後期に分けられていて、前期の約3ヶ月は教育部隊で、
自衛官としての使命や 団体生活への習熟、体力の練成と、
まさに自衛官となる基礎の教育が行わわれます。
この新隊員課程の間に、隊員各人の適正や希望を踏まえて 専門つまり「職種」が決められます。
陸上自衛隊の職種 航空自衛隊の職種 海上自衛隊の職種
この職種は陸上自衛隊では14種類に分けられています
この中でもっとも人員が多いのは普通科です。
 後期の約3ヶ月は職種別に、教育団の部隊か 配属部隊で
専門的知識と 技能の基本的特技教育を受けます。
職種が決定すると それぞれの職種のプロフェッショナルであるという
証と誇りの象徴である職種徽(き)章を制服の襟につけます。
 陸曹・幹部にも、部隊の運用・指揮・統率するために必要な
人格的な素養と技能両面にたいして、それぞれの階級に応じた教育が行われます。
幹部学生については 幹部学校を卒業後に
職種ごとに存在する「学校」に別れて教育を受けます。
 また、昇任の為の教育や専門教育なども「学校」で行われています。

職種の教育は
航空学校」は三重県の明野に、「施設学校」は勝田(茨城県ひたちなか市)に、
通信学校」は久里浜(神奈川県)というように それぞれの学校でされますが
普通科」「特科」「機甲科」については、「富士学校」にまとめられています。
この3つの戦闘職種が共同に教育されるのは世界的に見てもまれなもので、
近代戦を戦う上で有効な教育方法として注目されています。
 また、富士学校は東富士演習場に隣接し、模範的な錬度と充実した装備を保有している
長官直轄部隊の富士教導団があり、富士学校の教育支援部隊として
最新装備が配備されていることでも知られています。

それぞれの階級に適した人格と技能の教育が行われると先に書きましたが、
階級についての任務に少しだけふれておきましょう。
 「陸士」は任期制で旧軍の「兵」にあたり、統率され戦う実質的な戦闘要員です。
そのため、第一線の兵力としての能力向上を主体とした練成訓練が重視されます。
 「陸曹」は旧軍の「下士官」にあたり、陸士をまとめる分隊長や班長を務めます。
そのために必要な素養と、職種についての専門的知識技術を修得します。
 「幹部」は部隊指揮官となり、部隊運用・指揮・隊員の統率をするため、
見識や人格を磨き職種別の運用などを修得します。
 このようにそれぞれの立場つまり階級と、専門分野つまり職種について
それぞれの人格・知識・技能を高め、分隊・小隊・中隊・連隊・師団と
小から大の部隊としての力を 最大限に発揮するために 繰り返し教育と訓練が行われます。
 隊員は 教育と繰り返される訓練によって裏付けられた自信と誇りを持ち、
一致団結して 責任を持って 国を防衛するという任務を遂行していきます。

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自衛隊法第三条
「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し
わが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当るものと する。」
第二項「陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、
航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。」

自衛隊法第52条【服務の本旨】
「隊員は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、一致団結、厳正な規律を保持し、
常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、強い責任感をもつて専心
その職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、
もつて国民の負託にこたえることを期するものとする。」

自衛官の心がまえ
(昭和36年6月28日制定)
 古い歴史とすぐれた伝統をもつわが国は、多くの試練を経て、
民主主義を基調とする国家として発展しつつある。
 その理想は、自由と平和を愛し、社会福祉を増進し、
正義と秩序を基とする世界平和に寄与することにある。
これがためには民主主義を基調とするわが国の平和と独立を守り、
国の存立と安全を確保することが必要である。
 世界の現実をみるとき、国際協力による戦争の防止のための努力はますます強まっており、
他方において、巨大な破壊力をもつ兵器の開発は大規模な戦争の発生を困難にし、
これを抑制する力を強めている。しかしながら国際間の紛争は依然としてあとを絶たず、
各国はそれぞれ自国の平和と独立を守るため、必要な防衛態勢を整えてその存立と安全をはかっている。
 日本国民は、人類の英知と諸国民の協力により、世界に恒久の平和が実現することを心から願いつつ、
みずから守るため今日の自衛隊を築きあげた。
 自衛隊の使命は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つことにある。
 自衛隊は、わが国に対する直接及び間接の侵略を未然に防止し、
万一侵略が行なわれるときは、これを排除することを主たる任務とする。
 自衛隊はつねに国民とともに存在する。したがって民主政治の原則により、
その最高指揮官は内閣の代表としての内閣総理大臣であり、
その運営の基本については国会の統制を受けるものである。
 自衛官は、有事においてはもちろん平時においても、つねに国民の心を自己の心とし、
一身の利害を越えて公につくすことに誇りをもたなければならない。
 自衛官の精神の基盤となるものは健全な国民精神である。わけても自己を高め、
人を愛し、民族と祖国をおもう心は、正しい民族愛、祖国愛としてつねに
自衛官の精神の基調となるものである。
 われわれは自衛官の本質にかえりみ、政治的活動に関与せず、
自衛官としての名誉ある使命に深く思いをいたし、高い誇りをもち、
次に掲げるところを基本として日夜訓練に励み、修養を怠らず、
ことに臨んでは、身をもって職責を完遂する覚悟がなくてはならない。
1 使命の自覚
(1)祖先より受けつぎ、これを充実発展せしめて次の世代に伝える日本の国、
その国民と国土を外部の侵略から守る。
(2)自由と責任の上に築かれる国民生活の平和と秩序を守る。
2 個人の充実
(1)積極的でかたよりのない立派な社会人としての性格の形成に努め、正しい判断力を養う。
(2)知性、自発率先、信頼性及び体力等の諸要素について、
ひろく調和のとれた個性を伸展する。
3 責任の遂行
(1)勇気と忍耐をもって、責任の命ずるところ、身をていして任務を遂行する。
(2)僚友互いに真愛の情をもって結び、公に奉ずる心を基とし、その持場を守りぬく。
4 規律の厳守
(1)規律を部隊の生命とし、法令の遵守と命令に対する服従は、誠実厳正に行なう。
(2)命令を適切にするとともに、自覚に基づく積極的な服従の習性を育成する。
5 団結の強化
(1)卓越した統率と情味ある結合のなかに、苦難と試練に耐える集団としての確信をつちかう。
(2)陸、海、空、心を一にして精強に励み、祖国と民族の存立のため、
全力をつくしてその負託にこたえる。

宣誓書
[幹部を除く一般隊員]
私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、
一致団結、厳正な規律を保持し、常に特操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、
技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感を持って、専心職務の遂行にあたり、
事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います。

[幹部自衛官]
私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、
幹部自衛官たるの特操のかん養と技能の修練に努め、率先垂範職務の遂行にあたり、
もって部隊団結の核心となることを誓います。